ファミリーランド








眠れなかった。
初めてのことだった。
眠ろうとすれば、真っ暗闇の中、観覧車の周る音、手が届きそうなオリオン座。
1時間前の真夜中の散歩が蘇る。
意識は戻り、暗い車内でまた目を閉じる。



夜が明けるのを待てず、歩き出した。

すぐそこに。

待ちわびた景色があるのだろう。














朝の空気に包まれて、観覧車は姿をあらわした。






ここの観覧車も動いていた。
その存在を精一杯訴えるかのように。